「ほら、スクアーロ、こっちこっち!!!」









2人だけの秘密










今日は珍しく任務が2人揃って、ない!!
というわけでボスに留守番頼まれてたんだけど抜け出してみた!
ヴァリアーのアジトの構造に一番詳しいのは私なんだよ!
クハハハハハハハハ!!!
おおっとナッポーになっちゃう。


今はちいさーいせまーいくらーい如何にも抜け道な道をスクアーロ四つん這いになって進んでおります!
いやね、本当はもっと広い抜け道もあるけど抜け出すんだったらやっぱりこういう道進まなきゃ!

・・・まぁスクアーロが大変なだけだし。
私は特別背が高かったりするわけじゃなく、極々普通の平均的な身体なんでこれくらいは普通にいける。
正確にいうと少し屈んだり、四つん這いにならなきゃいけないから普通じゃないけど。

さて、当のスクアーロはというと


「ゔ、ゔお゙ぉい・・・。ほ、ほかに道ねぇのか!?」


四つん這いで、それでもキツそうにしながら小声で叫んでいる。
私は多少振り返る余裕はあるけどスクアーロはぎゅうぎゅうで身動きがとれなさそう。
・・・まぁこれじゃあ後にも戻れないし言っちゃって良いかな。

「いや、あったよ。普通に立って進める道」

のそのそと前に進みながら話す。
と、スクアーロが吃驚したような声で叫んだ。

「な、なんだとぉ!!??おまっ、!!なんでそれもっと早く言わなかったんだぁ!!??
 そっちの道行こうぜぇ!!!」

きーんと耳に響くほどの大きな声。
この馬鹿鮫め!

「しぃーっ!スクアーロ声でかいっ、でかいっ・・・!!」

口に人差し指を当てて、慌てて言うとスクアーロも慌てた様子で自分の口を手で押さえた。
・・・。
誰か気づいていないか、耳を澄ます。


「・・・・・・・」


物音も人の声もしない。
セーフ。
レヴィ隊とか下っ端もいないらしい。

ずっと口に当てっぱなしだった指をまた地面につけて、スクアーロを軽く睨む。


「あんな大きい声出すんじゃないわよ、馬鹿。カス。」

そこで、にやりと笑った。

「それに、戻れないでしょ。キツいでしょ?」

スクアーロはそれを聞いてはっとする。
そして後ろにさがろうとしたのか、身体を上下左右に動かすも、1ミリもさがらない。


「っ、お前ぇ・・・!!」

目に少し涙を浮かべながら私を睨む。
スクアーロに睨まれても怖くないもん!

「あと少しだから進んじゃおーう!」

スクアーロに笑いかけて、また前に進みだした。





*





そしてやっと先に光が見えた。

「ほれ、あと少しだから」

ぐったりとしているスクアーロにそれだけ言うと、進むスピードを速めた。


光・・・外に近づくにつれて、天井も高くなっていく。
来るところまで来ると、スクアーロも立てる高さになっていた。
私はスクアーロが来るのを待って、スクアーロが立ったのを見て、だっと走り出す。
そしてこの暗い空間と広い外の間ぎりぎりで、地面を蹴って、とぶ。



外にふわりと舞い出ると、熱い空気が私を包んだ。
うはぁ、もう秋なのに暑い・・・・。
暑さに顔をしかめたとき、さわ、と風が頬や髪を撫でて通り過ぎた。
汗が冷えて涼しい。

それなりに高いところから飛んだのに、もう地面が近い。
体勢を整えて、左足と右膝をつけて着地する。
その瞬間にまたさわりと風が流れた。


結構キマったんじゃない?私。
すっと立ち上がってスクアーロのほうを振り返ると、
スクアーロは硬直していた。

はて、私なんかしたかな?


「おーい!!スクアーロ!!!スーク!!カースー!!!」


ぴょんぴょんと飛び跳ねながらスクアーロに手を振り、叫んでみる。
これを2,3回続けてやっとスクアーロは正気を取り戻した。
・・・たぶん。

「スクアーロ!!降りてきなよ!!」

「あ?ああ」

叫ぶと、生返事をして、すたっと私の目の前に降りてきた。

「どしたん?」

問うてみる。
・・・うーん?・・・・あ。
・・・・・・・くふふっ。

「スークー、顔赤い!
 あっららー?私の可憐な舞いに惚れちゃったかしらーっ?」

こういうすくはイジめると楽しい!

「なっ、ばっ、なんでオレがに!!??」

慌てるスクアーロが可愛くて思わず吹き出した。

「ぷっ・・・。あっはは、バレバレ。まったくもースクアーロは駆け引きとか出来ないタイプね」

からかうと、さらに顔を真っ赤にした。
オモチャみたいで面白いなぁ。

「なっ、う、うるせぇ!!
 ・・・つか、ここ何処だぁ?」


話をはぐらかすように、くるりと周りを見回す。
それにつられて私も周りを見回した。


何回か来てるけどいつきても見とれそうなほど、綺麗な場所。
楽園みたいで、綺麗な花々が咲き乱れてる。
周りを木々が囲って、此処だけ切り離された違う空間のようになっている。
たまにもやがかかってたりするともっと神秘的なんだけど残念ながら今日は快晴。
もやなんてまったくない。
それでも、此処の雰囲気はどこか神秘的で、すごく綺麗。

私が景色に見惚れていると、スクアーロが不思議そうに声をかけた。


「おい?」


その声でやっと我に返った。
あー、しっかしほんと此処綺麗なー。

「此処はー、まぁなんだ、秘密の花園、みたいな?
 私のとっておきの場所、的な?」

何故か最後が疑問系になってしまう。
それでもスクアーロは、納得してくれた。


「そういうことかぁ。」


『なんで最後疑問系なんだぁ!?』とかツッコんでるくかと思ってた私は拍子抜け。
ぽかんと口を開けてスクアーロを見る。
じーっとみてると、周りに見惚れてたスクアーロも流石に気づいたらしく、こっちを見るなりいきなり笑い出した。

「お前面白い顔になってんぞぉ!」

お腹を抱えて笑うスクアーロなんて滅多に見たことない。
すげー貴重。
・・・って今そんな場合じゃないし!

「失礼な!」



スクアーロの笑いが一応収まった。
からなんとなく2人でちょこんと、地面に座ってみた。
草があるから全然硬くない。
というか寧ろ柔らかい。

「スクアーロもお腹抱えて笑うんだね。
 初めて見たかも。」

ふと呟いた言葉に、同じような言葉が返される。

「ボスには言うなよぉ・・・。

 オレもがあんな風に飛んでるとことか初めて見たぜぇ。
 あと、あんなに楽しそうな顔。」

さらに似た言葉の繰り返し。

「あー、私のそれもボスたちに言わないで。
 隠れ趣味なんだから」


なんだろう、私たちは似たもの同士なのか?
・・・なんかちょっと違うけど。

2人で少し考えたあと、2人同時に言った。



「スクアーロが内緒にしてくれるなら、私も内緒にする」
が言わないでくれるんなら、オレも言わねぇぞ」










2007/09/25