気まぐれPoisson d'avril
「何を楽しめってんだ?」
後ろから、ぱしーんっと背中を叩くと、お怒りの跡部サマの顔が!
だけど気にしない!
「Poisson d'avril(ポワッソン・ダヴリール)を楽しもうってことよ!」
「・・・フランスかぶれか」
うるせぇな、跡部は!
呆れ顔で言うな。
今日は、Poisson d'avril!
つまり、4月1日!
フランスでエイプリルフールはPoisson d'avril。
子供たちが魚を貼り付ける日!
・・・あ、絵に描いた魚ね。
だ・か・ら、私も貼り付けちゃったよ、天下の跡部サマに!
最初に、背中叩いたときに貼り付けたったのさ!
・・・・え?中3はもう子供じゃないって・・・?
・・・あっはっは!私はいいんだよぅ!!
「何一人でにやにやしてんだ、お前は。」
いつの間にかこっちに向き直った跡部。
反論してやるもんね!
「フランスかぶれじゃないもん!かーちゃんがフランス帰りだから毎年これだもん!
にやにやするのは・・・でででんっ 自由だァァァッァアァァァァァ!!!」
「黙れ」
こえええええ!!!
睨まれた。はっはっは!
声のトーンも低いわ。
「つか跡部あんた、此処で何してんの?」
此処は私の家の近くの公園通り。
その名のとおり、公園の近くの道。
公園は結構大きくて、ろうにゃくなんにょ、が訪れる。
まぁ、悔しいことに此処は特別に開放してる跡部んちの土地なんだよ。
「・・・・散歩?」
「いや、訊くな。」
まぁ、いいや。
ってか背中の気づいてないんか?
「俺様の背中がどうした?」
え?心読んだ?
ま、マグレだよね、うん。
何を思ったか跡部は、指をパチン。
するとドーデショウ!
「樺地、俺の背中になにか付いてるか?」
樺地来た!
何処にいたんだ、オイ!
そして樺地クン、跡部の背中を見て、ぺりぺりっと絵を剥がし、
跡部に差し出したァァァァァ!
「・・・魚の絵が・・・」
「あーん」
じろじろ見てます、見てます、跡部くん!
よし、今のうちに逃げよう。
まだ間に合う。
行け、いくのだ、ーーーーーッ!!!と書いて「ワタシ」と読むゥゥゥゥ!
「跡部センセー!頭痛が腹痛なんで帰ります!じゃ、いい年を!」
最後のは違う気がするけどいいんだ!
私は4月始まりで生きている!
てなわけで猛ダーーッシュ!!
「何してくれるんだ?」
出来ず!
跡部に肩つかまれちゃったよ、はははははっ。
コキコキコキっと首をまわして後ろをみると。
跡部の黒目が無い。
白目でクフフフ笑ってるよ。
ナッポーになっちゃうよ。
目いっぱいの引きつり笑顔で言ってみる。
「は、はーい?ナンデショウ?」
「あーん?何しらけてんだ?」
痛っ!いたたたた!
手に力入れてるよ、この人!!
うぇあっ!
うおおおおお!!マジ痛いィィィィィィィ!!
っもう!
「跡部なんて大嫌いだァァァァァァァ!!!」
「ぶげふっ!」
跡部のみぞおちにキック!
跡部がノックアウトされたウチに逃げる。
―――――
い、痛ぇ・・・・・・・・。
やりすぎたか・・・。
あれくらいであんなに怒ることもなかった・・・・・・よな。
樺地に肩を借りて起き上がっていると、数秒前に逃げたやつが来た。
俺と目が合うと、にっと笑って
「さっきは悪か「何深刻な顔してんの、跡部?あー、見事に引っかかった?」
・・・は?
俺の声をさえぎって楽しそうに笑う。
・・・・『引っかかった』?
「・・・・、もしかしてお前、俺様のことだましてやがったのか?あーん?」
多分、今の俺は間抜け面。
はまた楽しそうに笑いながら
「そう!フランス・・・ってかヨーロッパだってエイプリルフールに人を騙す風習もあるんだから!」
・・・・っち。
すっかり忘れてた。
「俺のこと、嫌いじゃねぇのか?」
気になったから、訊いただけ。
別に、が俺のことをどう思ってようと関係ない。
けど、その答えと笑顔には思わずきゅんとした。
「うん。嫌いなんかじゃないよ、大好き!!」
微妙な4月1日だった。
――
あ、宍戸ん家に魚置いてくるの忘れた!
行かなきゃ!!!!
2007/04/01