「ぶちょー!!!あれ欲しい!!!!」












夏祭り  立海大編









チョコバナナの屋台を指して言う・・・・てか叫ぶと皆、呆れたり苦笑しながら近づいてきた。
あ、でもブン太はいつもの表情。

一番前にいた部長が苦笑しながら私に言う。

「仕方ないね。特別だよ?」

「ありがとぉぉっ!!!!」


まぁそんなこんなで立海大男テニレギュラー+マネージャー・・・っつっても私。で夏祭りに来てます!
もちろん皆、浴衣で!
皆似合い過ぎだろオイ!


ってまぁ説明はそこらへんにしておいてっ!
部長にねだってついさっき買ってもらったチョコバナナを食べようではないか!!!

「ぶちょーありがとぉ!いっただっきまー・・・・・・・・・・」

「いーなぁ・・・・」

ぐはきた。
うるうるとした目で私の口に入ろうとしているチョコバナナを見つめるブン太!
・・・・・あー・・・・・

「一口だけならいいよ?」

自分から離して、まん前に来たブン太にチョコバナナを向ける。
とブン太は目を輝かせ

「マジで!?やったぁっ!大好き!」

「ぐふっ」

抱きつかれた。

痛い痛い痛いよぉー。
周りの方々の視線が痛いよぉー。
『何あいつらイチャついてんの?』
みたいな視線が痛いよぉー!!
私たち付き合ってませんから!イチャついてませんから!って叫びたい!!!

怖い怖い怖いよぉー。
レギュラー陣の視線が怖いよぉー。
『ブン太離れろお前何やってんだ』
的な視線が怖いよぉー!!
魔王様!幸村魔王様がゆらーってこっちに来たよぉぉぉぉぉ!!!!

「ブーン太」

語尾にハートが付きそうな猫撫で声。
背筋がぞくってした。

「なぁにしてるのか、なぁ?」

こええええええええ!!!!!!!!!!

ブン太を私から物凄い勢いで引き剥がして顔を覗き込んだぁ!!!

「うん?に抱きついただけだぜぃ?」

頭にハテナマークを浮かべて首を傾げるブン太。
・・・・あ、部長様の麗しいお顔に青筋が。
・・・・ブン太ァァァァ!!!逃げて!今すぐ逃げてっ!

「顔が真っ青じゃのぅ?」

「ひぁっ!?」

汗ダラダラでブン太と部長のやりとりを見ていたらいきなり後ろから声が。
後ろから、というか・・・・・耳元で。
慌てて後ろを振り返る。
まぁ声と口調で誰かはわかってるけど。

「仁王っ!驚かせるなぁ!!」

怒鳴ると

「くくっ。『ひぁっ』だと。聞いたか?柳生。も可愛い声出すようになったの」

「仁王くん、レディーに失礼ですよ」

「うおっ!?」

喉の奥で笑われたうえなんか柳生出てきた。

「ややや柳生!?いつのまに!?」

「さっきからいましたが・・・・何か?」

あれ、なんか黒いぞ。
にっこり微笑んでるけど黒いぞ。

「お、もーらいっ!」

・・・・・うん?
なんか・・・・うん、なんか・・・・・・・・・・・。
振り返る。
・・・・・

「あァかやァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」

ああああああ!!!!!

「何勝手に人のチョコバナナ食べてんのアンタはぁぁぁぁぁぁ!!!
 ばっ、ばっ、馬鹿かお前はァァァァァァ!!!私の、わたっ・・・私のチョコバナナをよくもぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!

 たるんどる!!」

ああああ!!!!
ショックで副部長でちゃったじゃん!

「ぅえっ!?あー、吃驚した。一口ぐらいいじゃないッスか」

「よくねーんだよアヒル!!!」

「人違い!それ人違いッス!アヒルはルドルフ!」

「ルドルフは猫だろうが!ルドルフとイッパイ●ッテナでしょう!?」

「やばいやばい!!先輩がおかしくなってる!」

だってだってだって!
赤也の一口って一口じゃないんだもの!
私の三口くらいあるんだもの!

「赤也のバカヤロー!それだからいつまでたってもたるんどるって言われるんだ!!!」

シュッシュッと副部長の裏拳の真似をしてると、

「ひゃああっ!!??」

みみみみみみ耳甘噛みされたっ!?
後ろから・・・・ってことは

「仁王ォォォォォォォォォ!!!!!!!」

音速よりも速く振り向く。
と仁王はニヤニヤしてた。
・・・・なんかムカつく。

「ほんと可愛い声だすの。いろんな男の前でそんな声だし「R-18の世界へ1名様ごしょうたーい」

逝け!
行けじゃなくて逝け!またはイけ!

「俺まだ18いっとらんぞ」

「その顔ならいける!さぁ行ってらっしゃいませ!!」

ぶわーっと仁王から離れて呆れ顔の副部長と柳のところに行く。

「あ、副部長と柳もいけるね」

「・・・・往復でいくか?」

「貞治から特製汁もらってこようか?」

「すんませんした」

副部長と柳には頭が上がらない・・・・!!
部長にはもっと。
・・・・・ってあれ?

「部長とブン太は?」

・・・・・・しーん。

『ブン太ァァァァァァァ!!!????』

なんとも迷惑な集団ですね、私たち。
・・・・ブン太、呪い殺されてないかしら。
・・・・よしじゃあ

「お祭りを満喫しなが・・・・おっと間違えた。ブン太探すついでにお祭り満喫しましょうか」

『明らかに祭目当てだよな』

うぐっ・・・!!
皆でツッコまなくてもいいじゃない!

「いいから行こっ!ほら、ブン太が呪い殺されないうちに」

「もう呪われたかもな」

「こらぁぁぁぁっ!自分の相方の心配をもっとしなさい、ジャッコー!」

「いや、無理に発音良くしようとしなくていいから。普通にジャッカルでいいから。」

ああもうジャッカルのくせに!

「携帯に電話はしてみたのか?」

と冷静な柳。
・・・・・あ。

「忘れておったのか!!たるんどる!」

「ひゃっ。すんませんした!」

怒鳴りながらも携帯を取り出す副部長の優しさが好きだ・・・!!
父親みたいで。

パコパコと音をさせながらブン太の携帯の番号を打っていく。
そしてコール音。

「もしも「うわああああああああああ!!!!!!!」

ブチッ。

聞こえたのはブン太の悲鳴。
以上。

「・・・・・・・」

いつのまにか全員輪になっていた。
そして顔を見合わせ、頷く。

『急ごう!!!』

ブン太がマジで死んじゃうわ。


*


とりあえずあのあと慌ててチョコバナナを食べちゃってからブン太探しに。

「ブン太ァァァァァァァァァ!!!!!」

とりあえず叫んでみた。
ら、

しらーっ。

「す、すみません」

周りの人の視線が冷たくて痛いだけだった・・・。

・・・・・・・しっかしブン太・・・・・・マジで大丈夫かしら。
いくら部長でもブン太に何かしたら許さん!
・・・・。

「柳ぃ・・・・」

いきなり不安になった・・・・・から隣の柳を見上げる。
ちなみに今はバラバラに分かれてブン太を捜索中。

柳は、少し驚いたような驚いてないような顔をして、うっすら笑い、私の頭に手を乗せた。

「まぁ、あいつなら大丈夫だろう。」

ふっと手が離れる。
ああー・・・・・・・なんか落ち着いた。

「お父さん2号パワーってやつ?さんきゅー、柳」

「2号・・・・・?あ、ああ。」

不思議そうな顔してたけど納得してくれた。
柳お父さんはいいねー。

うっし、ブン太探し再開だっ!

*

「ブーン太ブン太。『でーておーいでっ』

は言う」

キョロキョロ周りを見回しながらブツブツと呟いていたらいきなり柳の声が被った。
ちょ・・・・

「何予想してんの」

「いや、なんとなく」

あれ、キャラ違うよね。
てか柳が『でーておーいでっ』って・・・・・・。

「録音しておけばよかった!!」

くうっと拳を握り締めていると柳の『セーフ』という呟きがきこえた。
何がセーフだぁっ!!

文句言ってやろうかと思った瞬間、

―まーけーてーはならーぬー

非●のテ●スの着信音が鳴った。
ぐふっ。柳に着信音バレた・・・・。
・・・・ってはやく出なきゃ!!

いそいで携帯を取り出し、耳に当てる。

「もしもしっ!?」

『もしもし。俺だ。』

オレオレさ・・・ごふっ。
この声はジャッカル!

「ジャッカル!ブン太みつかった!?」

私の声に反応して、柳が体をこっちにむけた。

『ああ!出店の通りをまっすぐに抜けたところにある社の前だ!』

「わかった。マッハで行くわ。マッハで。・・・・・・・・・・ブン太はどう?」

最後は何故か小声になってしまった。

『・・・・・ぼけーっとしててなんつーか・・・虚ろ?』

部長様の呪いか・・・・・。
あとで文句言おう。
・・・・無理だろうけど。

「そっか。ありがと。んじゃマッハで行くわ。マッハで」

『2回も言わなくていい。んじゃ』

―ぶちっ。

携帯から耳を離すとすぐ、柳が問うてきた。

「何と?」

「ブン太は部長の呪いにやられてるって。んで場所は此処をずーっとまっすぐに行ったところ。」

私が言うと、ふむ、と少し考えたが1歩前にでて、こっちを振り返った。

「じゃあ早く行くか」

私は頷き、

「うん」

2人同時に走り出した。

・・・・走りにくいのはこの際無視だ。


うはぁ、人多すぎ・・・・・。

とにかく走る。走る。
と、チョコバナナの屋台が見えた。
多いなチョコバナナ・・・。
・・・・・。

「柳、先行ってて。」

私が立ち止まると、柳も立ち止まり、不思議そうに振り返った。

「ほら、えーとさ、ブン太、これ食べたら元に戻んないかなーって・・・・」

私が横を見ると、柳もそれを見て、納得したようにふっと笑った。

「早めにすませろ」

「もちろん。んじゃっ」

そういって私は右に、柳はまたまっすぐ走り出した。

「ったくもー何やってんだかねぇ、魔王様は。

 あ、一個下さい」

ブツブツ文句を言いながらお金を渡し、チョコバナナを受け取る。

「ありがとうございました」

そんなお礼を後ろに、また走り出す。
チョコバナナ落とさないようにしなきゃ。

*

「っはぁ・・・・っ、ブン太っ!」

息を切らしつつもなんとかたどり着いた!
と、全員集合してた。

中くらいの社の前・・・・つまり一番上に魔王様こと部長が降臨。
その横にいつものように真田と柳。
んでその一段下に仁王が座ってて、その更に一段下がジャッカルと柳生、そしてぐったりと座るブン太。
そのブン太の顔を覗き込み、何かブツブツ言っている赤也。

急いでブン太の前に行く。

「ブン太は?」

「あ、先輩。・・・・完全に目がイっちゃってるッス」

赤也はそう言うと、すっと横にずれた。
さんきゅー。
一歩前に出て、しゃがんでブン太の顔を覗き込む。

「ブン太?」

「・・・・」

目に光がない。
部長め!!

立ち上がって部長を睨む。

「部長、ここまでやる必要はないと思うけど?」

が部長はものともせず、にっこりと微笑む。

「そう?これは俺が知ってる呪いで一番軽いヤツなんだけどな。
 それに、男の世界はこういうものだよ?。」

喧嘩売ってるんですか、この部長は。

「一番軽いヤツ、ねぇ・・・・。とき方は?この呪いの」

「教えない。また // --> 、ブン太の方に行くでしょ?」

・・・・っ何このガキは!!!

「部長、私部長もブン太もみんなも大好きだから。ヤキモチだったらみっともないよ?」

怒りを自分の中に押し込めて静かに言うと、部長は黙り、何故か仁王がそれに反応した。
そしてグイと腕をひっぱられ、ブン太の上をまたぐ(?)形で仁王の顔が近づいた。
・・・・あんたら何がしたいんだ・・・・。

「なに?」

「俺のこと好きか?」

・・・は?
さっき聞いてなかったんですかお前は。

「さっき言った通り。仁王も柳生も上の3人組さんもブン太も赤也もジャッカルも皆好き。大好き」

「・・・・ふーん」

納得したのかしてないのかまぁどっちでもいいけど、とりあえず放してくれた。
・・・・あ、チョコバナナ。

もう一度しゃがみこむ。

「おーいブン太、聞こえてる?チョコバナナ買ってきたけどいる?」

「・・・・・」

動かないうえ返事なしっ!
ブン太反応してくれーっ!
・・・かくなるうえは・・・・。

「ブン太が食べないなら私が食べるよ?」

「先輩そんなんで釣れるわけ・・・・」

赤也に呆れ顔で言われたけど、ブン太はピクっと反応した。

「マジ!?」

「ふふん」

驚く赤也。
ふふふー。可愛いな、赤也。
・・・・・でもまだブン太しゃべってないよなー。
・・・・。

「それだけじゃわかりませんなー。食べるよ?いただきまーす」

一口食べてみた。
瞬間

「ちょ、それ俺のっ」

ブン太の目が輝いて・・・えっと、その・・・・・・・ブン太の顔が目の前に。
ってか唇に軟らかい感触。
・・・・・あれ、えーと・・・・・キス、されてる?
ってうおっ!?

「・・・・んっ・・・・・・」

ブン太の舌が入ってくる。
ちょ・・・・・。

恐い恐い!
皆視線が恐いっ!

「ちょ・・・ん、ふぁっ。」

ブン太に抵抗してみるも、あえなく失敗・・・・こんなときに力発揮しなくていい・・・・。

息苦しくなってきたころ、やっと放してくれた。
あ、チョコバナナがない。

「俺にくれるっていっただろぃ?」

きょとんとして聞くな!
素か!素なのか!

・・・・・あ゙。
えーと・・・
部長・・・満面の笑みでお怒り。
副部長・・・顔真っ赤で震えてる。
柳・・・苦笑。だけどなんか黒いオーラが出てる。
仁王・・・なんか近づいてきてる。
ジャッカル・・・ポカーン。
柳生・・・柳同様黒い苦笑。
赤也・・・あれ、ちょ、赤目・・・!?

・・・・イコール

「ブン太逃げろ。チョコバナナはあげるから」

ブン太の前にたって、後ろ手にチョコバナナをわたした瞬間、

「可愛い顔しとるの」

仁王に顎つかまれた・・・・。

「襲いたくなる」

「語尾にハートつけるな。」

「だってのー、顔真っ赤。そのほかも色々とやばい」

ひっ、と後ずさる。
・・・・私も危ない。

後ろに一歩下がると、ブン太がまだいた。

「ブン太・・・わかってるね?」

「おう。」

・・・そーっと手をつなぐ。
そして、皆がこっちに飛びかかろうとした瞬間。

「「逃げるぞっ!!!!!!!!!!!」」

全力で走り出すと、後ろから皆も同じように追ってきた。



――お祭満喫できてないよ・・・・。
・・・え、逃げ切れたかって?
・・・・・・・・・ははは・・・・。



無理だったに決まってるじゃない。




魔王部長コノヤローッ!!!!!!!!





2007/8/25