口笛
「あ、ブン太先輩・・・」
「先輩いらねーっての。」
俺がそういうとはコクン、と可愛らしく頷く。
「で、何やってたんだ?」
「口笛。吹けないから練習してたの」
彼女は唇を軽く尖らせて必死で音を出そうとする、が、シューシューと風の音しか出ていない。
「ップ」
「あー!!ブン太笑った!!こっちは必死こいてやってるのにぃ!」
「・・・その歳で『必死こいて』はやめろぃ。じじくさい」
クククッと抑えきれない笑いを少しずつ漏らしながら言葉をだす。
はそれを聞いて少しだけ頬を赤らめ、「うるしゃい」と言ってそっぽを向いてしまった。
「悪ぃ悪ぃ。」
「ブン太は吹けるの・・・?口笛」
ちょっと挑戦的なの目に見とれてしまう前に、当たり前だろぃ、と言って口笛を吹き始める。
「・・・ほんとに出来るんだ」
「嘘言ってどうする」
「ブン太も出来るのかぁ・・・。先輩たち皆出来るんだ・・・」
ピクっと耳が反応する。
「先輩たち皆って・・・ジャッカルとかにも聞いたのか?」
は、またこくん、と頷く。
・・・ってことは他の奴らもこの姿を見たってワケか・・・
なんか悔しい。
「なぁ、。口笛の吹き方教えて欲しいか?」
「え、教えてくれるの!?」
「ああ、だけど条件付き」
俺がニィっと笑って言うとは首を傾げ、何、というようにこっちを見つめる。
「吹けるようになっても他のヤツの前では吹かないこと、それから・・・」
俺が話してる間、は、ずっと、うんうん、と頷いていた。
「それから」のあと、なにも言わないでいたら、言うように促すようにはまた首を傾げる。
「一回、目ぇ瞑れぃ」
「?・・・・・うん」
は大人しく目を瞑った。
俺はそれを確認すると、の唇と自分の唇を重ねた。
「っ!?!?」
仕方ないからすぐに放してやる。
の顔は真っ赤だった。
「俺に大人しくキスさせること」
「・・・・はいはい。・・・・教えてよ、口笛」
「口付けも教えてやろうか?」
「却下」
即答かよ。
2006/8/12