「鳳・・・」
「日吉・・・」







創立記念日の2,3日!  第6話













怖いよー、この2人の睨み合い。
・・・止めよう、うん、止めよう。

「ふたっ・・・2人ともストッ」

「「止めないでもらえますか」」

「っ」

やばいよこれ・・・・笑えない。
何この気迫。
でもマネージャーとして言っておかないと・・・!


「あんたたち、今にも喧嘩しそうじゃん!
 大会前に喧嘩して、チームワークバラバラになられちゃ困るの!
 あんたたちがダブルスで組む可能性だってあるの。
 この状態のままで、あんたたちが組んだらどうなると思う?
 青学どころかそこらへんのストリートテニスしてる奴らにも負ける!」


2人に口をはさむ暇を与えずに話す。

・・・軽く息切れ。

2人は、目を丸くして固まっている。
が、日吉はすぐ我に返る。

「すみません・・・・。
 ですが、俺、引きたくないんです。
 今度でもいいって思うかもしれませんが・・・俺は今じゃないと駄目な気がするんです。」

日吉・・・。
長太郎もはっとなる。

「日吉と同じ意見ってのは嫌ですけど・・・俺も、今回だけは許して欲しいんです。
 今日・・・今だけ、お願いします。」

長太郎・・・。

2人の真剣な目。
なんでこんなに真剣になる必要があるの?
話の流れ読んで私が思うには、私のこと、みたいだし。

ったく、テニスにもっと力入れろ、テニスに。
・・・って言ってもがんばってるけどさ、皆。
・・・でも・・・

「氷帝学園男子テニス部正レギュラーマネージャーとして、許すわけにはいかない。」

胸を張って言う。


「・・・すみませんっ」

「えっ・・・!?」

とんっ、と日吉に肩を押され、ソファに倒れる。

「っ!?」

さらに、手足をロープでグルグル巻きにされる。

・・・何持ち歩いてるんだ、日吉。
ってそれどころじゃない!

「ほどいて!」

「っ。・・・すみません」

日吉は、顔を背けて、長太郎に向き直る。

「鳳・・・開いてる部屋あったよな?」

「・・・ああ」

「行くか」

部屋を出て行こうとする2人。

「ちょっ、長太郎!日吉!待ちなさっ・・・!」

がちゃん。

っあああ!!!
行っちゃった。
追いかけなきゃだよね。
大会近いっていうのに!!

・・・・でもまずはこのロープをどうにかしなきゃ・・・。
ドS日吉め。こんなもん持ち歩きやがって。

・・・・長太郎だったらどーなってたんだろ・・・。
・・・・長太郎も持ち歩い・・・・・・・・う、ううん、よし、考えるのはやめようっ!


・・・・うーん・・・なかなかほどけない。
というかまずこのうつ伏せ状態から抜け出せられない・・・。
下手に仰向けになろうとして落ちたら嫌だしな・・・。

「っく、っく!」

少しずつ、少しずつ身体を横にする。
・・・よし、なんとか部屋が見渡せる。
さあ、これをあと半分。
それで仰向けになるはず!

「っあ!?」

やばっ!!

――どんっ!

華麗に背中から着地。
着地じゃないね。
つかこれで誰かに気づかれたかな?

・・・・しーん。

さすが跡部家。
防音はばっちりか。
さて、縄外しの続きを・・・

「ん?」

落ちた衝撃で足のロープが解けた!
きつく縛ってなかったからかな。

日吉・・・さすがツンデレ。
でもまぁ、これで足は自由だ。

「んしょ、っと」

早速自由になった足で、ソファに座りなおす。
問題は手だな・・・。
手使えないとこの部屋出らんない。

・・・・うーん・・・・
とりあえずカウンターまで行き、

「えいっ。痛っ!」

ぶつけたら解けるかと思ったけど痛いだけだった・・・。
馬鹿とか言わないで・・・。

あれ?

「おっ・・・少し解けた」

信じらんないわ。
どれだけ緩かったの。

あと、1回縛ってあるのを解くだけ。
どうしよう・・・・
・・・・よ、よし。

縄を、口にくわえる。
くいくい引っ張って、また違うところを引っ張る。
あと少しっ・・・!!

「ふぇい!(てい!)」

するりと縄が下に落ちる。

「よっしゃ!」

思わずガッツポーズ。

でもゆっくりしてる暇はない。
すぐに、放り出していた上着を掴んで走り出す。
そんなに動く必要ないだろうから、薄いワンピースだけしか着てない。
廊下は結構寒かったりするから、上着がいる。
上着を羽織ながら廊下に出る。

「チッ」

今更ながら、無駄に長い廊下の所為で何処が何処だかわかんねぇ!!
ホテルか此処は!

・・・えっと・・・宍戸たちの部屋は、私の部屋の斜め向かい、だよね。
一応おさらい、っと。

「あ」

右の方から、跡部が歩いてきた。
跡部も、私に気づいたのか、小走りで近づいてくる。

「跡部っ、長太郎と日吉知らない?」

一瞬、むっとしたような顔になった気がしたけど、今の私は他のことが頭にあって気に留めなかった。

「知らねぇ。広間の方にはいなかったぜ」

跡部が言うなら本当だよね

「そっか・・・。ありがと。じゃ、おやすみっ!」

ひらっと手を振って、左の方へ走る。
が、後ろからの声で立ち止まった。

「おいっ!鳳と日吉がどうしたんだ?」

・・・言ったほうがいいか言わないほうがいいか・・・。
・・・言わないでおこう。

「なんでもない。ちょっと用事があるだけ!」

じゃ、と今度こそ立ち去ろうとすると、跡部が走ってきて、私の肩をつかんだ。

「なんでもなくねぇだろ。ちょっとした用事だけでそんなに必死になるわけねぇ。
 言え、2人がどうした」

・・・さすが部長と言うべきか・・・。

私は、簡単に今日の2人のことを話した。
跡部は、聞き終わると小さく舌打ちし、

「っあいつら、何やってやがんだ・・・!!
 、俺も手伝う。」

真剣な跡部。
今は部長、かな。

1人のほうがやりやすいけど、人数は多いほうが効率いいよね・・・。
部長だし、いいか。

「有難う。お願いするわ」

「任せとけ。なんて言ったって此処は俺様の別荘だからな」

こんな状況なのに思わず頬が緩む。

「じゃあそっち系統は頼んだ!私は地道に探す!!」

跡部も、ふっと笑う。

「長太郎、日吉捜索隊!出動!言ってまいります、大佐!!」

びしっと敬礼する。

「あーん?この俺様が大佐?・・・まぁいい。
 無事を祈る」

笑ってノッてくれた!
ちょっと落ち着いた。

さて・・・捜索開始といきますか!
もう1回敬礼して、笑うと、走り出した。

さあ、気を引き締めていこう。
長太郎ー、日吉ー、何処だァァァァ!!??









2006/06/20