「よぉ、。一緒に帰らねーか?」

待ち伏せしていたのか、校門を出てすぐのところで武に声を掛けられた。




明かり






私と武はいわゆる、幼馴染みで家も近い。
小学校の低学年まではいつも一緒に登下校していたが、年を重ねるごとに
お互いを異性としてみてしまっていつの間にか別々に登下校するようになった。

2人の明かりが消えてしまったように。

男女の幼馴染みは通る道だけどね。

しばらく、口もきいていなかった幼馴染みから話しかけられれば、あまり驚いたりしない私でも吃驚。

「うん、いいよ」

でも・・・嬉しい

*

「でさ、先生がー」

帰り道。
武に愚痴を聞いてもらっていた。

「はぁー・・・私ダメだよねー・・・。だってあんな簡単なのも出来ないんだもん。
 明日もまた解けないよね・・・。ああー、補習の危機・・・」

、頭いいじゃねーか。それに補習も楽しいぜ。
ツナとかいるしな!」

マイナス思考のに対してプラス思考の山本。

「楽しい、ね・・・」

「ああ、楽しいぜ!
 ―――なんだ?あれ」

山本はなにかを見つけたのか、道路の右側にタタッ、と走った。

「あ、あれ何?」

対照的には左側に何かを見つけた。

「「電池・・・?」」

山本が拾い上げたのは、+側に導線が付いた電池。
が拾い上げたのは、−側に導線と豆電球が付いた電池。

「・・・ねぇ、それとこれ、繋ぎ合わせたら豆電球、付くかな」

「やってみっか?」

問いかけに、コクリと頷くを見てから、に駆け寄る山本。

「よし、此処だな」

2つの電池をくっつけ、導線を豆電球に繋ぐ。

2本の導線が1本になった瞬間、豆電球に、ぽわっと明かりが点った。


「わっ!付いた!
 ・・・っ!?」

が、顔を豆電球から山本に向けた瞬間、2人の唇が触れ合った。

「マイナス思考なことばっかり出てくるお前の口とプラス思考なことばっかり出てくる俺の口が繋がった。
 てなわけで俺たちの愛のひかっ!!」

口を離し、語っていたのを止めるようにして山本の腹を蹴った

「なっ、何してんのよっ!?」

顔を真っ赤にして叫ぶ

「しかもくだらない語りまでしてっ・・・!!」

「くだらないってひでーな」

「っるさい!!」

が、ふいっ、と顔を背けると山本は、はははっ、と笑った

「なーんか小学生のときみたいだな!!」

「え?
 ・・・っ!!」

「2回目の点灯ー」

軽く、触れるようなだけのキス。
またが叫ぼうとしたとき、山本はに耳打ちした。

「好きだ」

「へ!?
 ・・・私も」

が最後に呟いた言葉は山本に届いたかはわからない。

けれど、また2人の口が繋がって、2人の中で何年も消えていた明かりが点った。

それは前より、明るく、大きく、温かいものだった












2006/12/25