朝
2人だけが住むにしては大きすぎる一軒家。
というか、邸。
ここには1人の中学生と1人の使用人・・・メイドの2人だけしかいない。
2人だけなのは、その中学生・・・獄寺隼人が十分だと言ったからだ。
綺麗に透き通った淡い蒼の空。
今日も、中学生は授業だ。
朝起きて着替え、用意された普通の中学生にしては豪華すぎる朝食をとり、玄関へ向かう。
それが朝の隼人の行動。
しかしそれは1人でやるわけではない。
必ず傍らに、1人のメイドがいる。
メイドの名は、。
。
隼人専属の幼い頃から教育を受けたメイドだ。
すべての準備が整った。
ここで冒頭に戻る。
だが、言っても、隼人はの方を向いたまま、動こうとしない。
それを不思議に思ったは首を傾げる。
「隼人、様?」
「今日は、学校まで付いて来い」
ごく普通に言い放った隼人に目を丸くする。
が、次の瞬間にはいつもの微笑みを取り戻していた。
「いけませんよ、隼人様。わたくしはこの邸専門ですから。外に出てしまったら何もわかりません」
「俺が案内する」
「それでもいけません。隼人様は、御友人にわたくしの存在をお教えしたことがありますか?
ないでしょう?それで驚かしてしまってはいけません」
ぐっ、と詰まるが、また次の言葉をすぐに出す
「10代目ならわかってくれる!!」
が、またすぐに返される
「その根拠が、何処にあります?」
「10代目ならっ・・・!10代目なら、わかってくれる・・・!!」
少し泣きそうな声。
「お前と・・・・と・・・もっと一緒にいたい・・・」
本音が出た。
半泣きで、にもたれかかる。
は、それを抱きとめる。
が1回きつく抱きしめ、すぐに離した。
「ワガママは、いけませんよ。
我慢しなくては、成長できません。
ボンゴレ10代目の・・・立派な右腕になるのでしょう?」
優しい笑み。
隼人は、静かに頷く。
それをみて、さらには目を細める。
「隼人様なら、きっと・・・いえ、絶対なれます。
わたくしも、陰ながら応援致しております。
あ・・・山本様とも仲良くしてくださいね」
最後の言葉に、ピクリと反応してさっきとは別人のように声のトーンが高くなる。
「なっ!!誰があんな野球馬鹿と仲良くなんてするか!」
ムキになって叫ぶ隼人をみて、はクスリと笑う。
「いつもの隼人様に戻られましたね。安心しました」
「っ!」
隼人の肩を優しく掴み、くるりと扉の方に身体を向けさせる。
「わたくしは何処にもいきません。
ずっと・・・ずっと隼人様のお傍におります。
ですから、そんなにご心配ならないでください。」
優しく言う。
そのすぐあと、扉の向こう・・・外から声が聞こえた。
「獄寺くーん!一緒に学校行こー!」
「獄寺ーっ!寝坊かー?いつもより遅いぞ!」
ツナと山本だ。
はにっこり笑って
「ほら、沢田様たちがお待ちですよ。
隼人様が、嬉しそうな顔で学校から帰ってくる姿がわたくしは好きなのです。
厚かましいですが・・・今日もそんなお姿を拝見したく思います」
隼人は、耳まで紅くすると、扉の前まで行き、振り返って笑顔で
「お前の頼みなら、仕方ねぇ!」
はすっと眩しそうに笑んで、今日2回目の言葉を口にした。
「行ってらっしゃいませ、隼人様」
今度は、それに答える言葉があった
「行ってくる」
2007/06/17