「いやー、ほんとなんでが玉依姫なんだよー。
 フィオナ先生みたいな美人がよかったー!!びーじーん!!
 なあ、?」





変身宣言!













いつもの屋上。
いつもどおりに皆で昼ごはんを食べて、いつもどおり真弘先輩が騒ぐ。
そしてみんながそれを冷めた目で見ていた。
いつもどおりならここでみんなで溜め息をついて終わるところだけど…今日は違う!

すっくと立って、私は真弘先輩に人差し指の先を向けた。
失礼だとかそんなこと無視!





「私が美人になればいいんですね!?
 フィオナ先生レベルまでは無理だけど…多少なら綺麗になってみせます!」


宣言した私を皆が何事だ、という目で見ている。
そ、そりゃ美人とまでは無理だけど、さ!!

拓磨と祐一先輩が溜め息を吐き、慎司くんが慌てて立ち上がる。



「あ、あのっ、そのっ、先輩は十分綺麗です!」




慎司くんはそれだけ言って、ふしゅううと顔を赤くし、また元の場所に座り込んだ。
…か、かわいい…。けど私もつられて今、顔赤い気がするよ…。


そういえば真弘先輩、しゃべってないなぁ、とか思って見てみた。
ら、私の視線に気付いてはっとし、慎司くんにヤジを飛ばした。


「し、慎司、お前のこと好きなのかー!!
 は、ははー!趣味悪ぃーなー!!」



棒読みですよ。
なんて教えはしないけど。

…明らかに様子がおかしい。


真弘先輩はちょうど反対側にいる。
その周りに拓磨たち、って陣形。

真弘先輩へ詰め寄ろうと1歩足を進めたら、何故かみんなが遠退いた。
失礼な。

でもまぁ、ちょうどいいかな。
わざとゆっくりめに近寄ると、真弘先輩も同じくらいのスピードで後ずさっていく。




そして真弘先輩はもうさがれなくなった。

「真弘先輩」

名前を呼ぶと、

「ななななななななななななんだよ!!??」

明らかにどうようしてますよね?


しゃがみこんで目線の高さを合わせると、真弘先輩はむっとして立ち上がった。
別に見下されることには何も思わないけど、なんか…真弘先輩ってつくづく可愛いなぁ。
失礼だけど。


「真弘先輩どうしたんですか、そんなに動揺して?
 私が綺麗になるわけないとでも思ってるんですか。」


溜め息もオマケにつけて訊くと、真弘先輩は予想外の反応をした。





「ばっ、ばっかじゃねーの!?
 あ、あの、な!!その、だな!!






 も、もとからお前はそんなに悪くないっ!!


 つーか・・・き、きれいなほうなんじゃねーの!!?」








そこで一気に顔が熱くなる。
……キ、キレながらだったけど…褒められた!?

真弘先輩も顔を真っ赤にしていた。
そりゃ、そうだよね。



沈黙。



そして思い出す他3名。
ばっと振り返ると、拓磨はまた溜め息。
祐一先輩は珍しいものでも見たような顔で、慎司くんは顔を赤くしていた。
…慎司くん、純情だなぁ。


視線を真弘先輩に戻した途端、目があって、吃驚して思わず目を逸らしてしまった。


「だ、だからだなぁ、べ、べつに綺麗になるとか……そのだな……」


もごもごと口篭る真弘先輩に後ろから涼やかな助け舟。
















「つまり真弘はそのままので十分綺麗だと言いたいらしい」
















20080730
グダグダなのはいつものことよ。